資料調査報告(No.2)「工業高校における造船教育の軌跡」 続編(2016.07.13) 伊勢工業高校における造船教育の歴史から学ぶ – 大湊町立造船徒弟学校時代を中心に –

2016年7月13日
日本船舶海洋工学会 造船資料保存委員会
藤村 洋

作成の経緯

昭和43年10月に創立70周年を迎えた伊勢工業高校は、その記念として 「70年史」 を編纂している。
平成27年(2015年)、当委員会はそのコピーの寄贈を受けた。 また、平成28年(2016年)6月、たまたま八王子市在住の田中萬年氏から 同氏の書かれた論文 「大湊造船徒弟学校における修業制度の創設と看過 – デュアルシステム整備の可能性と未発達の要因 -」 の投稿を受けた。

造船資料保存委員会では2008年に寄贈を受けた広島県立大崎海星高校の造船科の歴史に関する多くの資料から 「工業高校における造船教育の軌跡」 について若干の考察を行った。

中学・高校レベルの造船教育に真っ先に手を付けたのは、伊勢の大湊造船徒弟学校であることは承知していたが、同校に関する資料は当時入手することが出来なかったので、上記考察は伊勢についての考察抜きで記述せざるを得なかった。 しかし、その後、幸いにして伊勢市教育委員会文化振興課、伊勢の造船資料を継承する会、同市にあった市川造船所のOBの方々にお会いすることが出来、さらに鳥羽商船高専におられた伊藤政光氏が当委員会に参加されて伊勢地区に関する情報に接することが出来るようになった。(*注)
それに引き続いて今般、職業教育の研究をされている田中萬年氏から上述の論文の投稿を頂いた。 このような背景から頂戴した資料に基づいて、伊勢地区の造船教育史を中心に造船徒弟学校ならびに工業高校における造船教育の軌跡について続編を加えることとした。
本稿作成に当たり上記の皆様の情報ご提供に厚く御礼申し上げます。

(*注)
伊勢地区においては関係者の努力で、6万点を超す大湊地区の造船歴史資料の保存、調査、展示などの活動が開始されている。
その成果は逐次公開されて行くと思われるが、その一部が当委員会 伊藤政光委員を通じて提供されている。現地の活動の状況と様々の興味深い一次史料的事実が報告されている、「デジタル造船資料館」に 掲載 して行くのでご覧頂きたい。

伊勢工業高校における造船教育の歴史から学ぶ
– 大湊町立造船徒弟学校時代を中心に –

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添付資料

A-1 東北の船大工 船大工になるまで 船大工の風習
A-2 ふるさと文化賞 – 船大工 湊 隆司さん –
B-1 伊勢工高 年表
B-2 伊勢工高70年史 第2章 はじめ
B-3 明治初期以降 工業技術者教育関連年表

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