資料名アスカニア振動計
製作年代 | 昭和47年3月 |
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製作者 | AKASHI |
形式 | MODEL ACV No.62231 (記録用紙予備 2個) |
寸法 | 記録部:長径 13.2cm 短径 8.2cm 深さ 8.7cm、 計測部:直径 1.5cm 長さ 12.5cm |
材質 | 金属 メッキ並びに焼付け塗装仕上げ |
「アスカニア振動計」は,昭和50年代に「リヨン」製の自動解析できる電気式の小型振動計が世に出るまでは,各造船所で広く使用された手持ち式の局部振動計測器である。 船殻構造の局部振動のほか,機器の振動計測等にも使用された。
振動物件に直接計測針を当て,振動波形を機械的に5倍の大きさで,専用の記録紙に1秒刻みのマークと共に記録できる。
記録紙の送りはネジ巻き(ゼンマイ)方式,秒刻みは乾電池による。 計測針はバネで指示されて直接的に振動を感知するので,このバネの動きの範囲内で計測物体に適当な強さであてがって,計測する必要がある。
記録される振動波形が,記録紙の中央に直線的に刻まれなければ,解析に苦労することになり,場合によっては解析不能となる場合もあるので,計測者にはある程度の慣熟が必要である。
解析は5倍に記録された振幅から実際の振幅,及び1秒刻みのマークを基準に適当な長さの振動数をカウントして,1秒間の振動数(HZ),または1分間の振動数(CPM)を算出する。 この二つから,振動加速度は簡単に算定できる。
但し,計測された振動波形によっては,振動数も振幅も解析が困難な場合が多々あり,計測器に装備されている拡大鏡を使っても,平均値を求めるには人的誤差は免れないのが本振動計の宿命である。
従って精密な振動実態の把握には無理があるが,発生している振動が,船体構造の強度や居住性に影響あるかどうかを大局的且つ直接的に判断するデータを得るという点において,簡便・有効な計測器であると言える。