造船資料保存委員会について

ご挨拶

ご挨拶

“初志”とその後の“あしあと”

日本船舶海洋工学会の発信機能の一つである ”デジタル造船資料館” は、学会の関西支部にある造船資料保存委員会が、今その運営を担当しています。

この委員会について簡単にご説明し、ご理解とご助力をお願い致します。

日本船舶海洋工学会関西支部 (旧関西造船協会) には60歳以上(2019年度から65歳以上)の会員をメンバーとする Kシニア という会員活動グループがあります。 ゆるい縛りの中で様々な活動をしようというボランティアグループです。その一つに海事に関する様々なテーマについて自由に語り合う『海友フォーラム』がありますが、この中で、昔使っていた計算尺、手廻し計算機、円筒型計算尺、曲線を描くバッテンとウエイトなど造船設計特有の道具類を保存しなければならないのではないか、という論議が交わされました。 この論議を発端として、学会関西支部の活動という位置づけで、2007年10月に本委員会が発足しました。

活動の趣意基本方針運営要領組織メンバーなどは別掲の通りでありますが、輝かしい日本の造船業を下から支えた、様々な技術、用具、方法などに光を当て後世に伝えようというのが趣旨であります。 そして実質的な活動は私たちKシニアのメンバーがボランティアとして担って行くという新しい形の学会活動が発足しました。

発足以来すでに十数年経過しましたが、支部所属の会員会社、個人会員に資料・用具などの提供を依頼しましたら、各方面から趣旨にご賛同頂き、各種資料、用具の提供の申し出をいただいてきました。 提供品の受け入れと平行して、保管スペースの整備、収蔵や整理のシステム作り、書式や運営要領の設定などを行い、この間に大枠の体制整備が出来てきました。

発足後3年経過した頃までには収集活動をまとめて「展示」が出来るようになり、『大崎海星高校・旧木江工業高校造船学科の軌跡』、『波なし船型の研究と“くれない丸”における大型球状船首の実船試験』の2回の展示会を行うとともに、後者に関しては学会関西支部の研究委員会と共同して『船型開発のあけぼの-バルバスバウを中心にして-』と題したシンポジュームも開催することが出来ました。その後2011年、13年には『“ 船の美 ”ご紹介』、『進水式の絵葉書にみる船の変遷』、と2回の展示を行い、後者に付随して神戸大学海事科学部の市民セミナーで講演を行うなど次第に活動の幅を拡げてきました。

一方、学会全体でも造船技術やその歴史、文化の保存やそれに関する調査研究の関心が高くなってきました。その状況を踏まえて2015年には学会講演会に「造船技術と文化の保存」というテーマのオーガナイズド・セッションが設けられ、2017年には「ふね遺産」顕彰制度がスタートしました。これらの活動に伴う資料の保存ならびに成果の発信の窓口が必要となり、それらの機能を備えている造船資料保存委員会のホームページ「デジタル造船資料館」を拡大強化し学会全体のサイトとすることが要請されました。そして造船資料保存委員会はサイト全体の運営を担当するように期待されております。

造船資料保存委員会の収蔵品について述べると、上記サイト上に整理され登録された収蔵物を順次公開いたします。 それらに関する思い出、使用方法、技術情報、関連資料などを投稿、或いはお知らせいただければ、より一層この『デジタル造船資料館』が充実してゆくものと考えております。海事・造船資料を探索される方々にとって有用な情報を蓄積、提供し、海事・造船の歴史を具体的なもので残すために努力いたしますので皆様のご支援をお願い申し上げる次第です。

この会の名称ですが、発足時(2007年10月)は『造船資料・用具の調査・保存委員会』でしたが、改めまして『造船資料保存委員会』といたしました。

なお、本会の活動について収納場所、作業室、回線の提供など各種のご支援を頂いております 神戸大学大学院海事科学研究科、 神戸大学海事博物館に対して深く感謝いたします。

造船資料保存委員会

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