資料名「マリアナ海域漁船集団遭難」関係資料
東京大学旧船舶工学科が所蔵し、造船資料保存委員会に寄贈された各種資料のうち、「マリアナ海域漁船集団遭難」関係の資料について整理し概要調査した結果を示す。
検索ID キーワード |
マリアナ海域、アグリガン島、漁船集団遭難、漁船安全対策、三角波 |
資料作成時期 | 1965年10月~1966年9月(昭和40年10月~41年9月) |
内容概説 | 昭和40年10月7日、南太平洋に出漁中の多数のカツオ・マグロ漁船が、台風を避けるためにマリアナ諸島アグリガン島の島影で漂流していたところ、台風の進路が予想と変わり、かつ急速に発達したことで、漁船(150~220GT級)6隻が沈没、1隻が陸に打ち上げられて大破沈没、死亡および行方不明者209人が生じた。漁船が大型化、遠洋漁業化するなかでの集団海難は、漁業関係者はもとより一般社会の人々にも大きなショックを与えた。海難審判は、台風の異常な発達による稀有の荒天に因る遭難とした。この海難を契機とする漁船安全対策研究などの関連資料を収録する。なお本海難事件の詳細については、リンクファイル「052187参考資料「マリアナ海域漁船集団遭難事件」」(海難審判所ホームページ)」を参照されたい。 |
内容・解説 | 収録資料はリンクファイル「052187資料リスト」による(本リストには、関連する資料番号052125「海難防止協会」関係資料および資料番号052190三角波実験資料を包含して記述してある)。番号1は、漁船乗組員による現地状況の詳細な報告を記す。番号3は、国内の関係漁港などの訪問調査と、各漁船の遭難当時の状況調査の記録である。番号4は、遭難した第八国生丸のものと思われる。本海難事件を契機として、科学技術庁の特別研究促進調整費による「マリアナ海難に関連する漁船安全対策特別研究」が実施され、運輸省・東大・農林省・郵政省などが参加した。 番号2の②は、船研と東大の担当分野を取り決めたものであり、③は、研究に参加した団体間の連絡会である。 番号5と番号6は、この科技庁特別研究の一部であって、中間段階のものである。番号7と番号8は、作成者名の記載がないが、番号2の②で東大が「三角波中の復原性に関する研究」を分担し、かつ遭難した漁船「第三永盛丸」の模型を実験に使用していることから、科技庁特別研究の一環として東大が実施したものと推定する。この科技庁特別研究には、漁船の転覆防止のほかに、救命器具の改善と遭難信号自動発信器の開発が含まれている。その全体の報告書は、「マリアナ海難に関連する漁船安全対策特別研究」735頁として、昭42年2月に科技庁研究調整局から発行された。CiNiiによれば大阪府立大、東京海洋大、東大工学部が所蔵する。また、遭難漁船「第三永盛丸」の図面が、リンクファイル「資料番号052235「漁船、漁業関連船図面」」に含まれている。 |
リンク ファイル |
052187資料リスト(PDFファイル) |
052187参考資料「マリアナ海域漁船集団遭難事件」(海難審判所ホームページ) | |
資料番号052235「漁船、漁業関連船図面」 |