• 資料番号052247

資料名「浅間丸、でらごあ丸、金華丸」図面

東京大学旧船舶工学科が所蔵し、造船資料保存委員会に寄贈された各種資料のうち、「浅間丸、でらごあ丸、金華丸」の図面について整理し概要調査した結果を示す。

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日本郵船貨客船浅間丸、NYK貨物船でらごあ丸、国際汽船高速ライナー金華丸、
東大船舶工学科、復原性能
図面作成時期 1929年~1939年(昭和4年~14年)
内容概説 東大船舶工学科運動性能研究室は多くの実船図面を持っていた。その大部分は復原性能、運動性能の計算、基準の制定作業などの材料として各社から提供を受けたと思われるが、この3隻についてはその目的が定かではない。ただ3隻とも模型用図面が同梱されているので、模型をを作ったと思われる。しかし、その模型が如何なる目的に使われたか定かではない。
また、3隻とも東大でコピーもしくはトレースした図面が含まれているので製図指導の目的で使われたことも想像される。いずれも推定の域を出ない。浅間丸の図面は著名な船であるので主要図面のスキャンコピーを撮った(リンクファイル「資料調査報告(No.19):船の図面”浅間丸”」参照)。
内容・解説 この3隻の船の背景ならびに解説は下記の通り。
浅間丸:昭和4年9月三菱長崎で竣工した北米航路の豪華貨客船。本船の一般配置図があるが、この図面は竣工時のものとアンテナの配置が微妙に違っている。また、はんこの押し方から見て、三菱が作成した図面ではなく、NYKが第2原紙上で変更部分を修正作成したものではないかと思われる。作成日付は昭和18年となっている。この時期の浅間丸の動静、海軍に徴用されてからの事情については造船資料保存委員会硴崎委員の調査メモ(リンクファイル「資料調査報告(No.19):船の図面”浅間丸”」参照)があるのでそれを参照願いたい。それに依れば、本船は昭和18年12月に日立因島に入渠、ドイツから技術導入した新型水中聴音機ならびに仮称三式探信儀を装着した。この時に護衛艦隊と連絡を密にするために新しい無線装置とアンテナを取り付けたのではないかと推測される。本船の図面のうち主要なものはスキャンコピーを作成した。要約版はリンクファイル「資料調査報告(No.19):船の図面”浅間丸”」参照。詳細版は造船資料保存委員会が保管している。
でらごあ丸:大正8年10月三菱長崎で竣工したアフリカ航路用の貨物船。第327番船OSK向けあらすか丸以下OSK2隻、NYK3隻の同型。”Delagoa”はアフリカ東岸、モザンビークのインド洋に面した湾の名称。
金華丸:昭和13年2月国際汽船向けに川崎造船所で竣工したNY航路向の高速貨物船、試運転で21.546ノットを記録、処女航海で平均時速17.9ノット10日12時間29分の横断記録を樹立した。本船については中央部のみの模型線図の現尺図面があるが、この用途は不明である。
上記3隻の保有図面は、リンクファイル「052247図面リスト」に示す通り。
リンク
ファイル
052247図面リスト(PDFファイル)
資料調査報告(No.19):船の図面”浅間丸”

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