資料名三菱重工業株式会社史
製作年代 | 昭和31年8月8日 |
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形式 | 厚紙製本、一部絵画のコピーを除いて他はモノクロ印刷 |
寸法 | 217x294x53mm, 816P ケースなし |
材質 | 紙 |
発行者 : 三菱重工業株式会社 本文印刷 : 凸版印刷(株) |
本書は、三菱重工社が第2次大戦敗戦後、連合軍総司令部の指示により財閥解体の一環として
3社に分割された直後、1875年の創立以来1950年までの75年間の歴史記録として編纂されたものである。 敗戦後の昭和25年1月11日の3社設立、重工社清算までの会社変貌の記録も含まれている。
編纂は、松村乾一氏を主幹とし他8名の社内人による社史編纂室のメンバーにより、昭和25年末から31年夏までの5年半の期間を掛けて行われた。一般の社史とは異なり、外部の学識経験者の助けをほとんど借りずに社内の努力で編纂された。 その間の誠に涙ぐましい苦労については編纂室主幹松村氏が編纂後記に記しておられる。 敗戦の混乱の中、散逸した資料を尋ねて探索収集する努力、様々な食い違い、後からの新発見など、正に先人の労苦が偲ばれる記述である。
このような経緯から本書は歴史に関する解釈的な記述は少なく、第1次資料並びにその写真、関係者の挿話、陳述、秘話などが多いので”1次資料集”という趣が強い。 特に戦争中のことに関して、敗戦に伴い”軍機密”の制約がなくなり、かなり率直に語られていることは資料としての価値が高いと思われる。
別添の 「造船資料保存委員会が所蔵している三菱重工業株式会社に関する歴史書」 の示すとおり同社に関する歴史資料は数多く存在する。
本書はその中心的なものであるが、創立初期に関しては 「三菱長崎造船所史(幕末より昭和3年3月まで)」 ならびにその続編を参考にしていると思われる。 本書の末尾には「年譜」が付されているが、これは年表とは形式を異にしてほぼ1年ごとに見開き2ページを用い、縦軸を区分(本文の「編」に相当) 横軸を月として、かなり詳細に自社内のイベントを書いている。 社外の一般事項との対比はない。
本書には装丁が2種あり、保存委番号035002は簡易な装丁で社内配布用と思われる。 保存委番号116223は丁重な装丁で外部贈呈用と思われる。 内容には差がない。