(1)復原力研究小委員会は終戦直後の昭和22年、当時の造船聯合会に設けられた「旅客船建造計画審議会」の中におかれた小委員会である。資料番号052127「安全法」関係資料の中に「旅客船計画審議委員会」と題名の書かれた紐綴じの分厚い資料がある。この委員会の中で復原性研究小委が発生した。これは戦後の産官学協働体制の萌芽となった動きを記した貴重な資料であるので、別途リンクファイル「資料番号052127「安全法」関係資料」で整理して示す。

(2)一方、ここで対象とする「復原性研究会」は昭和33年～35年に運輸省船舶局の主導で設置された産官学協働の委員会で、目的は1960年の「海上に於ける人命安全条約改正会議」に各国から提案された非損傷時復原性に関する改正案について検討を行い、かつ我が国の提案に関して協議するためのものである。第9もしくは10回から名称を区画復原性研究会と改め損傷時復原性についても協議している。(それ以前復原性研究会と区画研究会が併行して開催されていたと思われるが後者に関する資料は最終報告書を除いて存在しない。)
この委員会は13回開催された。各回の議事要旨、配付資料(主としてIMCO配付資料のコピー)などは別途リンクファイル「資料番号052173「復原性研究会・SOLAS(その2)」関係資料」で整理して示す。
本資料(052126)ではこれらの協議の結果を取り纏めて運輸技術審議会に提出した資料(最終報告書)を整理してある。報告書の題名はリンクファイル「052126報告書リスト」に示す通りであるが、大きく分けて運輸審議会直下に設けられた(*)第1小委員会、第2小委員会(原子力船関係)の報告とその後「60年条約研究会」の中に置かれた復原性研究会と区画研究会の報告書がある。
(*1959/05/29第23回審議会でSOLAS48の改正案に関する検討を行う第1小委員会とSOLAS60で提案され原子力船に関する検討を行う第2小委員会ならびに原子力船協会に条約小委員会を置くことが決められた。)
条約改正問題のうち区画復原性ならびに原子力船に関する検討とその結果についてはこれらの資料に総括されている。