資料調査報告(No.5):2010年10月2日発行 雑誌「船舶」の掲載広告に見る船舶装備機器の変遷(電気部)

2.「船舶」昭和27年(Vol.25)の広告

1)S27-01
鯨工船 日新丸 (川重 S26-9 引き渡し)

・1)は日新丸の Wheel House, 手前にレーダ指示機が見える。レーダが採用されるようになったことが分かる。中央の操舵スタンドの前の天井に黒く見えるのは反映式磁気コンパスの筒と思われる。後壁には電話のようなものが見える。

2)S27-02

・2)はJRC の無線装置の広告であるが、ここでは 「マッケイ・JRCのサービス協定成立!」 に注目した。
マッケイはアメリカの無線機メーカである。

3)S27-03
安立電気の無線機、レーダ

・3)は安立電気の無線装置で、イラスト図の後方は無線送信機、手前は受信機でコンソールに組み込まれているように見える。 レーダはイギリスのデッカ製、指示機は卓上型か?、アンテナの形状面白い。

 

4)S27-04
東京計器の航海計器
5)S27-05
JRC のロラン受信機

・4)は東京計器の航海計器。 ロラン受信機 (船位測定装置)が初めて登場(上段 左)、Kiddeの火災警報装置 も見える(上段 右)。

・5)はJRC のロラン受信機で、4)には東京計器(Sperry) のものが見えるが、このころからロランが船に搭載され始め、電波航法時代が始まる。(ロランは米海軍が開発した船位測定装置で、戦後、商船に開放された。)

6)S27-06
倉本計器の回転計

・回転数を電圧に変換して遠隔表示できるようにしたもの

7)S27-07
北辰電機の Gyro Pilot

・7)は北辰電機の Gyro Pilot でこの写真は操舵スタンドを示す。

8)S27-08
日本造船機械のエンジン・テレグラフ

・8)は日本造船機械のエンテレで 操舵室-機関室間で主機の速度の命令・応答を表示する通信装置。

9)S27-09
海上電気の Echo Sounder と風向風速計

・9)は Echo Sounder と風向風速計の広告で、この頃からこれらは使用され始めたものと思われる。

10)S27-10
山洋電気の回転機

・10)の山洋電気の回転機では交流の文字も見え始めた。

11)S27-11
JRCのレーダ

・11)はJRC のレーダの広告で「国産第一号遂に出づ!」の文言が見える。 この年からレーダの国産が始まったことが窺える。

12)S27-12
光進電気の風向風速計

・9)の海上電機の広告に載っているが同じものか

13)S27-13
国島丸 無線室

・13)は国島丸の無線室。手前に受信機が並べられている。後方は送信機である。 まだコンソール化されていない。 国島丸は第6次造船計画船、貨物船、船主は飯野海運、建造所は石川島重工。
昭和26年10月31日引渡し。
元の写真がよくないので分かりにくいが、当時の無線室の状況を示すものとして取り上げた。

14)S27-14
精密時計 Chronometer

・14)は精密時計、Chart room の Chart Table に組み込まれていた。

15)S27-15
日本電気精器の回転機

・15)は日本電気精器の回転機、直流・交流と書かれている。 交流化の兆しが窺える。

16)S27-16
日幸電機の配電盤

・16) は日幸電機の配電盤で、上部にメータ、下部にブレーカ(ハンドル式)が配されている。

17)S27-17
東電機の回転機
これも直流・交流の併記である。

[メモ]

  1. 1)日新丸の Wheel House から分かるように、レーダが使用されだした。
  2. 2)安立電気の無線装置、レーダの広告が 「船舶」に初めて登場した。
  3. 3)東京計器、JRC の広告より、ロラン受信機がこの頃から使われだしたことが分かる。
    米海軍で開発されたロランが戦後、商船に開放された。電波航法の幕開けである。
  4. 4)航海関係の計器の広告が多くなった。
    回転計、エンジン・テレグラフ、Echo Sounder, 風向風速計などである。
  5. 5)JRC の広告「国産第一号遂に出づ!」から、レーダの国産化が始まったことが分かる。
  6. 6)無線室の写真、無線装置の広告から、無線機のコンソール化が始まろうとしていることが窺える。
  7. 7)回転機の広告では、直流・交流が併記されている。 交流化が始まろうとしていることが窺える。

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