資料調査報告(No.5):2010年10月2日発行 雑誌「船舶」の掲載広告に見る船舶装備機器の変遷(電気部)

19.「船舶」昭和45年(Vol.43)の広告

1)S45-01
愛知電機の変圧器

1)は愛知電機の変圧器。
変圧器の広告は今までなかったので採取した。

2)S45-02
日本航空電子のコネクタ

・2)は日本航空電子のコネクタで、電子機器の接続によく使用された。

3)S45-03
三信電具の探照灯

・3)は三信の探照灯で、リモコン式は当時としては珍しい。

4)S45-04
大洋電機の舶用電気機械

・4)は大洋電機の電気機器で、この頃から船舶が大きくなり所要電力が増し、各機器の容量が大きくなったことが窺える。
写真の発電機は450V,1500kVAで、当時としては最大級である。

5)S45-05
玉屋商店のマリンベーン

・5)は風向風速計であるが、航海用具(六分儀など)を扱う玉屋商店の広告なので珍しいから収録した。

6)S45-06
東京計器の航海関係の製品一覧

・6)は東京計器の製品を集めて表示した広告で、製品の機種が充実してきたことが窺える。

7)S45-07
東京計器の製品(1/3)
8)S45-08
東京計器の製品(2/3)

・7)はその一部を拡大したもの。
レーダ指示機、レーダ空中線、ロラン、ジャイロ・コンパスなど。

・8)は東京計器の製品一覧の一部を拡大したもの。
ジャイロット、オートパオロット、磁気コンパス、フロート式液面計など。

9)S45-09
東京計器の製品(3/3)

・9)も東京計器の製品一覧の一部を拡大したもの。
荷役遠隔操縦装置、エンジン・モニタ-、エンジンリモート・コントローラ、キディ式火災探知器、電気防蝕装置(マカップス)など。

10)S45-10
東京計器のエンジン・モニター

・「船の無人化時代をひらく」、<新製品>カートリッジ式と書かれている。
M0時代に入ろうとしている時期の製品である。
カートリッジ式とは計測点1点に対しカートリッジ1個が設けられる方式である。
これにより計測点の増減への対応が容易になった。

11)S45-11
海上電機の浅海用音測

・11)は海上電機の浅海用音響測深機で大型タンカーの浅海航行の安全というニーズに応えた製品である。

12)S45-12
理化電機のZERO SCAN SYSTEM

・12)は理化電機の舶用データロガーである。

ZERO SCAN SYSTEMとはScanningはやっていない方式即ち1:1の常時監視システムであるということか。

M0船に対応するためScanning方式はやめ、常時監視仕様にしたものと思われる。メータが沢山装備された豪華なコンソールも注目される。

[メモ]

  1. 1)大洋電機の広告に見られるように、船舶の大型化に伴う船内の所要電力の増大に対応するため発電機容量が大きくなってきているのが分かる。
    発電機のみならず、電動機、配電盤、変圧器なども大きくなった。
  2. 2)東京計器の広告から航海機器の品揃えが充実してきたのが窺える。
  3. 3)東京計器、理化電機の広告から、M0(機関室無人化)の時代になりつつあることが分かる。
  4. 4)東京計器のエンジン・モニターの広告に表示されているカートリッジ方式はこの種の製品の先駆けをなすものであったと思われる。その後この種の方式が多用された。

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