資料調査報告(No.5):2010年10月2日発行 雑誌「船舶」の掲載広告に見る船舶装備機器の変遷(電気部)

20.「船舶」昭和46年(Vol.44)の広告

1)S46-01
三峰山丸 コンピュータ室(1/2)
2)S46-02
三峰山丸 コンピュータ室(2/2)

・「船舶」昭和46年4月号より採取。
・超自動化船ディーゼル・タンカー「三峰山丸」227,756T三井造船千葉建造1971(S46)-1-20 引渡し船主は大阪商船三井船舶

・(1/2)の写真はコンピュータ室のコンピュータ周辺機器の配置を示す。
・当時は Man Machine Interface(コンピュータとの対話・通信)は入出力タイプライタで行っていた。

・(2/2)の写真はコンピュータ室の中央演算処理装置、補助記憶装置などの配置を示す。
・コンピュータは北辰電機HoC 700-M16ビットマシンサイクリックタイム667μs 主メモリ16K語磁気ドラム65K語×2台

3)S46-03
三峰山丸 自動荷役制御コンソール

・積荷(原油)の積み込み積み下ろしの制御をコンピュータからのバルブの開閉信号で行うもの。
コンソール上にはスイッチが設けられ手動でもバルブの開閉ができるようになっているものと思われる。

4)S46-04
三峰山丸 機関自動制御コンソール

・MIMICPanel,メータ、ランプ、スイッチなどからなる大きなコンソールで当時の機関制御室の華やかさを感じさせる。

5)S46-05
愛知電機のトランス
6)S46-06
愛知電機のトランス

・大型のトランス 1500KVA

・通常のトランス 10KVA

船舶の大型化に伴いトランスも大型のものが現れた。

[メモ]

  1. 1)この年(昭和46年)は目新しい広告がなかったので、記事の中からコンピュータ船「三峰山丸」の写真を収録した。当時のコンピュータ船の情況が窺える。
  2. 2)コンピュータの仕様は16ビットマシン、クロックは1.5MHz、主メモリ16K語、磁気ドラム65K語×2台となっている。
    2002年に購入した筆者のパソコンは32ビットマシン、クロックは1.5GHz、RAM736MBハードディスク40GBである。
    制御用のコンピュータとパソコンを単純に比較はできないが、速度はPCの方が1000倍速くなっている。
    メモリーはPCの方が数万倍のオーダで多い。
    今の感覚で見ると、能力の低いコンピュータを用いて、超自動化船を実現しようとした当時の関係者の夢と情熱と努力に頭の下がる思いがする。

ページの一番上へ