資料調査報告(No.5):2010年10月2日発行 雑誌「船舶」の掲載広告に見る船舶装備機器の変遷(電気部)

5.「船舶」昭和30年(Vol.28)の広告

1)S30-01
東芝の船舶用無線装置
2)S30-02
スワイヤ・アンド・マックレーンの広告
3)S30-03
東芝の船舶用電気機器

・1)は東芝の船舶用無線装置で、3)は東芝の船舶用電気機器の広告である。東芝の広告が多いのが目立つが舶用の機器を相当手広くやっていたようである。

1)では上のパネルは送信機で、下は受信機を組み込んだコンソールで当時としては最新式のものである。
2)はスワイヤ・アンド・マックレーンという名前が目に付いたので取り上げた。
英国製のレーダやオートアラーム、ロランなどを扱う馴染みの商社である。

4)S30-04
JRCの船舶用無線装置

・右はJRCの無線装置の広告で、イラストの前方が受信機を組み込んだコンソールで、後方が送信機である。

これも当時としては最新の構成で、1)の東芝のものと同等と思われる。

5)S30-05
日本電池の蓄電池

・5)は日本電池のアルカリ式蓄電池の広告である。 船舶では非常用電源として蓄電池が使われている。
価格の安い鉛蓄電池が使われることが多い。
非常用電池としては 非常灯通信用として1式、無線用として1式が設けられた。
容量としては 24V,200AH(Ampere Hour)程度が一般的であった。
蓄電池室(Battery Room) は居住区の後ろの方に設けられることが多く、蓄電池の充電時、水素が発生するため防爆区画として扱われ、換気が必要である。

6)S30-06
日立製作所のエアコン

・6)は日立製作所のパッケージ型のエアコンの広告である。
船舶向けとして、この頃からエアコンが登場したのが窺える。

[メモ]

  1. 1)この当時東芝が無線装置も含め、船舶の電気機器全般に亘り手広く手掛けていたのが分かる。
  2. 2)日本電池の蓄電池や日立のエアコンは珍しいので取り上げた。

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