「籾山模型の魅力」 ~ 創業100年 父子二代で生み出した珠玉の艦船模型 ~

「籾山模型の魅力」 ~ 11. 各地に残る籾山模型

船の科学館 飯沼一雄

各地に残っている籾山模型としては、なんといっても日本郵船歴史博物館に展示されている貨客船“浅間丸”縮尺1/48が秀逸であろう。 作次郎氏自身も『帝國工藝』の中で「恐らく世界一精巧なる模型」と自負して語っている。 しかし、また「モデル・シップと40年」では「快心(注:正しくは会心)の作というものはなかなかないが、まあまあ鉄道博物館にある“金剛丸”がよろしいようで」と鉄道連絡船“金剛丸” 縮尺1/50模型を挙げている。

さらには、東京大学所蔵の“長崎丸”“上海丸”、神戸海洋博物館所蔵の“吉林丸”縮尺1/48模型、横浜みなと博物館所蔵の“ぶえのすあいれす丸”縮尺1/48模型も優れた作品であり、さらには同館の“横浜丸”縮尺1/48模型も艤装品の仕上げが素晴しく籾山模型ではないかと思っている。

[写真46] 神戸海洋博物館の大阪商船“吉林丸”模型

変わった作品としては、広島県呉市にある海上保安資料館所蔵の巡視船“てしお”縮尺1/50模型や鹿児島大学水産学部所蔵の練習帆船“日本丸”、東京海洋大学所蔵の同姉妹船“海王丸”の縮尺1/100模型ではなかろうか。 日本赤十字社所蔵で「赤十字情報プラザ」に展示されている病院船“博愛丸”の縮尺1/48模型も優れた作品である。

[写真47] 巡視船PM53“てしお”模型
[写真48] 赤十字情報プラザの“博愛丸”模型

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