造船設計便覧(第4版)

(1)当時我が国では造船設計に関する参考書は極めて少なく、簡便かつ実用的なハンドブックを期待する声が強かった。そこで、関西造船協会が協会の一事業として造船設計便覧を出版することになった。
協会では編纂委員会を組織し、4年の歳月を経て「造船設計便覧」(初版)が1960年(昭和35年)12月19日に発行された。
「造船設計便覧」は、原稿が個人の執筆よるものではなく、各造船所・各分野の専門家が集まり、各造船所の多年の経験や独自の創意による貴重な資料を公開し、委員会形式で原稿を作成したもので、最新の造船学や造船技術の進歩を十分に取り入れ、直ちに実際に役立つものとなっている。


(2)その後、「造船設計便覧」は造船学や造船技術の進歩発展や各種法規、規格等の改正に合わせ、初版に続いて次の通り改訂版が発行された。

「造船設計便覧発行履歴」

初版 : 1960年(昭和35年)12月19日発行
改訂版: 1968年(昭和43年) 8月 1日 発行(2年余の期間をかけて大半の内容が書き改められ、頁数も初版本の2割強の増加となった)
第3版 : 1976年(昭和51年) 3月10日発行
第4版 : 1983年(昭和58年) 8月 8日発行(関西造船協会創立70周年記念事業の一環として第4版が発行された)

(3)「造船設計便覧(第4版)」の内容概要は次の通りである(詳細は下記PDF「目次」参照)。

第1編 一般
第2編 材料
第3編 基本計画
第4編 船殻
第5編 艤装
第6編 海洋、港湾その他

目次


(4)参考資料
「造船設計便覧」の刊行に至る経緯、基本方針、共同作業等々についての解説文が、「航跡-船匠たちから次代への伝言-」(関西造船協会編)内の、「造船設計便覧-協会の歴史を飾る出版-」に掲載されている(下記PDF「参考資料」参照)。

参考資料

船舶電気・電子工学便覧

(1)日本舶用機関学会が、日本船舶振興会の補助事業として、1960年(昭和45年)12月に「船舶電気工学便覧」を発行した。この便覧は、各編を官学、造船所および関係メーカの有識者が分担執筆したもので、当面する技術の指標として、船舶の電気工学関連技術を網羅蓄積したものであり、発行以来海運、造船および関連メーカー等の技術者の参考書・解説書として活用されてきた。


(2)「船舶電気工学便覧」発行後11年の歳月を経て、その間の電気・電子技術の進歩には著しいものがあり、この便覧の改訂が切望され、技術進歩を折り込んだ改定版「船舶電気・電子工学便覧」が1981年(昭和56年)7月に発行された。改訂版では、最近の法規、規格、規則および最新技術を取り入れ、旧版の8割以上の改訂と増編(第16編基礎エレクトロニクス、第17編自動化・コンピュータ応用システムを追加)が行われている。


(3)「船舶電気・電子工学便覧」の内容概要は次の通りである(詳細は下記PDF「目次」参照)。

第1編:総説
第2編:電源および配電計画
第3編:電源装置
第4編:配電装置
第5編:ケーブルとその適用
第6編:動力装置
第7編:電熱装置
第8編:照明装置、船灯および信号灯
第9編:通信装置
第10編:計測制御装置
第11編:航法装置
第12編:無線通信装置
第13編:電気推進装置
第14編:特殊船と特殊設備
第15編:電気雑音、振動、騒音、船体磁気および電波障害
第16編:基礎エレクトロニクス
第17編:自動化・コンピュータ応用システム
第18編:電装工事
第19編:諸表
索引
会社業務資料編(メーカ45社の製品紹介)

目次

船舶工学便覧(第1分冊~第5分冊)

(1)当時我国造船界において、船舶工学に関するハンドブックの出現が期待されていた。そこで造船協会がこの要望にこたえるため、1939年(昭和14年)に船舶工学便覧編纂委員会を設置した。顧問に平賀譲、委員長に井口常雄(昭和14/10~21/5)、福田啓二(昭和21/5~24/3)が当り、1943年(昭和18年)には原稿が揃ったが、予定していた印刷所が戦災に会い出版ができなかった。幸い原稿は山梨県の山村に疎開していたため無事で、10年を経た戦後の1950年(昭和25年3月)に造船協会会長山縣昌夫のもとにようやく出版された。


(2)本便覧の目的および内容(本便覧「凡例」より抜粋):

・「本便覧は造船・造機に関する各部門の技術者が、日常作業の便覧に使用することを主たる目的とし、また船舶工学全体の概念を得ることをも併せてその目的として編纂したものである。」

・「便覧の内容は工業高等学校の卒業生も使用できる程度とした。然し部門によっては多少の難易あることはやむを得ない。」

・「上記主目的のため便覧の内容は、実例、データおよび公式等に重点を置くこととした。公式に関しては、式の誘導は記載せず結果のみを示すこととし、理論式・実験式等の区別を明らかにし、使用上必要な程度の説明を加えるに止めた。記述的事項に関しては教科書的記述を避け、設計ならびに施工上注意を要する事項および指針となるべき事項を主として記載した。但し、事項によっては教科書的記述となった所もあるのはやむを得ない。」


(3)「船舶工学便覧」の内容概要は次の通りである(詳細は各分冊PDF「目次」参照)。

第1分冊の概要

第1編:数表および度量衡表
第2編:数学および力学
第3編:物理および化学
第4編:水力学および流体力学
第5編:材料
第6編:材料力学および構造力学
第7編:気象および海洋

第1分冊 目次

第2分冊の概要

第8編:船舶算法
第9編:乾舷、水密区画、積量測度
第10編:復原および動揺
第11編:抵抗および推進
第12編:舵および旋回
第13編:船体強度および振動

第2分冊 目次

第3分冊の概要

第14編:船体構造
第15編:鋲および鋲継手
第16編:船体の溶接
第17編:船体艤装

第3分冊 目次

第4分冊の概要

第18編:熱および熱力学
第19編:燃料および燃焼
第20編:缶
第21編:ピストン汽機
第22編:蒸気タービン
第23編:復水、給水加熱および蒸発装置
第24編:内燃機
第25編:減速装置および伝導装置
第26編:軸系装置
第27編:機関室補機
第28編:機関室諸配管
第29編:機関艤装
第30編:機関室配置
第31編:機関積込および据付
第32編:機械力学および機械の振動
第33編:機関の溶接

第4分冊 目次

第5分冊の概要

第34編:船の種類
第35編:基本設計
第36編:進水
第37編:船体施工
第38編:鍍金、塗料、セメント
第39編:船体保存および手入
第40編:救難
第41編:電気設備
第42編:海上試運転
第43編:工場設備
第44編:見積
第45編:港湾、航路、乾船渠
第46編:法規
第47編:標準規格

第5分冊 目次

日本産業巡航見本市協会「さくら丸」写真集

1)主要目(竣工時)
Loa x Lpp x Bmld x Dmld x dmld = 157.00m x 145.00m x 21.00m x 11.90m x 見本市航海6.60m/移民往航8.00m/移民復航8.60m, 総トン数=12,628T, 載貨重量=見本市航海5,801t/移民往航9,116t/移民復航10,626t, 主機=三菱長崎7UEC75/150型ディーゼル機関x1基(連続最大出力:9,800BHP), 航海速力=見本市航海17.9kts/移民往航17.1kts/移民復航16.8kts, 旅客定員=見本市航海152名/移民往航952名/移民復航480名, 船級=NK

2)本船概要
日本製品の輸出振興を目的とした「日本産業巡航見本市協会」の見本市専用船として1962年に竣工。1962年11月12日から翌年3月6日にかけ行われた中近東・アフリカ方面への巡航見本市船第4次巡航より就航。見本市期間以外は大阪商船(株)のチャーターにより北米・南米航路で移民船として運航(移民用に仮設ベッド設置)。

大阪商船「あるぜんちな丸」(二代目)写真集(その2)

1)主要目
Loa x Lpp x Bmld x Dmld x dmld = 156.48m x 145.00m x 20.40m x 11.90m x 8.70m, 総トン数=10,864T, 載貨重量=10,480t, 主機=三菱神戸ウエスチングハウス蒸気タービンx1基(連続最大出力:9,000SHP), 航海速力=16.4kts, 旅客定員=一等:12名/ツーリスト(二等):82名/三等:960名, 乗組員=121名

2)本船概要
第13次計画造船。南米向け移民船。
「ぶらじる丸」(二代目)(1954年(昭和29年)7月10日竣工)の姉妹船として計画されたが、要目面では変更があり最大の変更は主機関で、「ぶらじる丸」(二代目)のディーゼル機関ではなく、本船では蒸気タービン機関が採用された。

大阪商船「あるぜんちな丸」(二代目)写真集(その1)

1)主要目
Loa x Lpp x Bmld x Dmld x dmld = 156.48m x 145.00m x 20.40m x 11.90m x 8.70m, 総トン数=10,864T, 載貨重量=10,480t, 主機=三菱神戸ウエスチングハウス蒸気タービンx1基(連続最大出力:9,000SHP), 航海速力=16.4kts, 旅客定員=一等:12名/ツーリスト(二等):82名/三等:960名, 乗組員=121名

2)本船概要
第13次計画造船。南米向け移民船。
「ぶらじる丸」(二代目)(1954年(昭和29年)7月10日竣工)の姉妹船として計画されたが、要目面では変更があり最大の変更は主機関で、「ぶらじる丸」(二代目)のディーゼル機関ではなく、本船では蒸気タービン機関が採用された。

大阪商船「ほのるる丸」写真集

1)主要目
Loa x Lpp x Bmld x Dmld x dmld = 156.13m x 145.00m x 19.40m x 12.50m x 9.20m, 総トン数=9,371T, 載貨重量=11,949t, 主機=三菱神戸スルザー9RSAD76型ディーゼル機関x1基(連続最大出力:12,000BHP), 航海速力=17.4kts、旅客=12名, 船級=ABS&NK

2)本船概要
第13次計画造船。はばな丸型同型船(はばな丸、ほのるる丸)の第2番船。

大阪商船「ぼんべい丸」写真集

1)主要目
Loa x Lpp x Bmld x Dmld x dmld = 137.53m x 128.00m x 17.60m x 10.20m x 8.20m, 総トン数=7,009T, 載貨重量=10,019t, 主機=三菱神戸スルザー7SD72型ディーゼル機関x1基(連続最大出力:5,250BHP), 航海速力=14.2kts, 旅客=4名, 船級=NK

2)本船概要
自己資金建造船。めるぼるん丸型を改良して建造された貨物船で、ボンベイ・カルカッタ方面の定期航路に就航。

大阪商船「はんぶるぐ丸」写真集

1)主要目
Loa x Lpp x Bmld x Dmld x dmld = 151.00m x 140.00m x 19.20m x 12.30m x 9.12m, 総トン数=8,973T, 載貨重量=11,681t, 主機=三菱神戸スルザー7RSAD76型ディーゼル機関x1基(連続最大出力:9,300BHP), 航海速力=16.6kts, 旅客=12名, 船級=ABS&NK

2)本船概要
第13次計画造船。もんてびでお丸型同型船(もんてびでお丸、はんぶるぐ丸)の第2番船で、欧州(西航)定期航路に就航。

大阪商船「まどらす丸」写真集

1)主要目
Loa x Lpp x Bmld x Dmld x dmld = 137.53m x 128.00m x 17.60m x 10.20m x 8.15m, 総トン数 = 6,829T, 載貨重量=9,804t, 主機=三菱神戸スルザー7SD72型ディーゼル機関x1基(連続最大出力 : 5,250BHP), 航海速力=14.7kts, 旅客=4名, 船級=ABS&NK

2)本船概要
自己資金建造船。めるぼるん丸型同型船(めるぼるん丸、まどらす丸)の第2番船で、航海速力14ノットの中速貨物船として建造され、「めるぼるん丸」は豪州航路に、「まどらす丸」はインド・パキスタン航路に就航。

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